やらなかった後悔が辛い時、気持ちの整理に時間がかかってしまい、いつまでも自己否定から抜け出せないことがありますよね。人間は心理的に「やった後悔」よりも「やらなかった後悔」のほうが辛くなる理由があります。
仕事、恋愛、人間関係など、色々な決断をしなければいけない毎日。「なぜやらなかったのだろう」と悔やまないためにも意識したいことがありますので、今回はやらなかった後悔が辛い心理について詳しくご紹介していきましょう。
やらなかった後悔が辛い心理について
「あの時、買っておけばよかった」「好きだと告白しておけばよかった」というやらなかった後悔がやった後悔よりも辛いのは、次のような心理が関係しているようです。
やるかやらないか決断を迫られた時は、のちに生じるネガティブな感情を想定しておくと納得できるかもしれません。
可能性があるから
やらなかった後悔が辛いのは、やった時の結果を知らずに終わっているためです。たとえば恋愛については、片想いの人に告白しないまま終わり相手が結婚してしまった時、告白しなかった悔しさはいつまでも続くことが想定できますよね。
もし告白していたら、両想いになって結婚できたかもしれません。もし振られても気持ちの整理ができるので、告白しないよりもよいかもしれません。
やらなかった時に悔いが残るのは、心理的に達成感が得られないから。可能性を捨ててしまった自分に腹を立てることもあるでしょう。
完璧主義なため
やらなかったことにより後から辛くなるのは、心理的に完璧主義なところがあるためで、失敗を受け入れることができないのです。やらなくてよかった…という例ももちろんありますが、やらなかった時に悔いが残るのも取り返しがつかないこと。
完璧主義の人は、やらないために得られなかったメリットや幸福がとても悔しく「失敗」と解釈しているのです。なぜあの時に…といつまでも自分を追い込み、さらに辛くなることで自分を罰しているのかもしれません。
自己主張が苦手
やらなかった後悔が辛いのは、心理的に自己主張への苦手意識が関係しています。たとえば旅行先でお土産を買わなかったとしたら、「二度と買いに行けない」と残念に思うケースが考えられますよね。
買った場合に「買わなければよかった…」と思うのは、何とか慰めができるもの。しかし買わなかった場合、「きちんと自己主張していれば正しい判断ができた」というように自分を責めてしまうのです。
自己主張ができる人は、決断しなければいけない時がやってきても周囲とコミュニケーションをとれるはず。しかし自分の思いを抑えすぎてしまう人は、逆に周囲の意見に流されることもあるため、自己主張は必要なものでしょう。
ネガティブになっている
そもそも悔いが残るのはあまりよいことではなく、気持ちを引きずり前進できない要因です。やらなかったことにより残念な気持ちになるのは悲観的になっているためで、現在起こっていること全てを悪く受け止めているのでしょう。
「あの時、やらなかったから不幸になった」「どうしてやらなかったのか…」と不安な気持ちが強まりストレスになっています。
この状態では、さらに思考が悪い方向へ進みがちでしょう。悲観的な人はやった時も悔いが残りやすく、もっと気持ちを前向きに変えることが必要になるのです。
後悔の種類について
やらなかった後悔は、人生を振り返るといくつか心当たりがあるものです。悔いが残ることにはいくつかの種類がありますので、自分の置かれた環境を認識しておくと対処しやすくなります。
継続的なもの
人生が進むごとに蓄積される継続的に悔いが残る例としては「お金」に関すること。「若い時に使い果たさなかったら、今頃家が買えていた」「一生懸命勉強して大学に行けばいい仕事につけたのに…」など、過去に継続的に起こったことに対する後悔は、将来に不安を抱きやすい人に多いです。
人は誰でも安定的な生活を求め、経済的にも満たされたほうが不安なく暮らせるでしょう。このためお金に対することは「やった」「やらない」でも悩んでしまうのです。
「先を見通すためにもっと前から準備しておくべきだった」という苦しみにつながるケースもあるでしょう。現在も未来もこのような継続的な後悔はずっと続く可能性があります。
チャンスを逃すケース
後悔はずっと続く線上のものに対して「点」で起こるものもあり、恋愛のチャンス、受験のチャンス、昇格のチャンスなどがあります。このような機会があったのに一歩踏み出さなかった後悔は、行動しなかった自分を責めるものに。
リサーチによると、若い人は挑戦した時としなかった時の悔しさは同じくらいで、年齢を重ねるごとにチャンスを逃した後悔は割合が高まることもわかっています。
「このような機会は二度とやってこない」と思うとさらに気持ちが複雑になりますので、そんな時は自分で新たな環境に移り、チャンスを探すこともよいでしょう。成長に価値を置く人は、逃したチャンスを別の形で取り返すことはできるはずです。
人としての後悔
「家族に嘘をついた」「友人を傷つけた」など、モラルに反したことをやった後悔もずっと引きずるほど心に残る痛みです。このような失敗に気づくのは、大人になり経験値が高まった時によくあり、自分の心が豊かになると反省する余裕も生まれることに。
仕事のミスを内緒にしてごまかそう…と一瞬でも思った場面で、過去に人として間違ったことをやった記憶を思い出してみましょう。社会的な貢献などで懺悔を乗り越えることはできるかもしれません。
対人関係に関わること
「引っ越しするのがわかっていたのに挨拶しなかった」「病気の家族のお見舞いに行かず亡くなってしまった」など、人間関係において充分に自分がやるべきことができなかった時や、やらなかった時に感じる後悔の念もあります。
これは日常的にあることで「メッセージの返信をもっと早くすればよかった」というようなこともありますよね。対象が人物であり、自分の付き合い方や考え方のために悔いが残ってしまう時は、その気持ちを大切にしてこれから人助けをするなど、どこかで努力することもいいかもしれません。
後悔しない生き方について
やらなかった後悔を乗り越えるのは大変かもしれませんが、どのような場合でも振り返ることは自己成長に大切な理由があります。やった時以上に大きなやらなかった後悔こそ、受け止め方を変えて人生の糧にしていきましょう。
自分で決断する
やらなかったこと、やったこと、いずれの後悔も最終的には自分で決めたことなら乗り越えられます。しかし他人の意見で決めたことだと、いつまでも相手に責任を押しつけたり自分自身を否定したり、ネガティブな思考が続いてしまいます。
苦しみを抱える自分を冷静に受け止めて感情を分析してみると、どのようなことに怒りや恐怖を抱くのかが見えてきますので、経験を活かして将来の不安を減らすこともできます。
勇気と覚悟が大切
悔いを残さないためには、勇気を出して一歩先に進むことが大切です。何もせず時間が過ぎるのは一番避けたいこと。自分の意思を主張するのは勇気が必要で、どのような結果になるか覚悟することも大事です。
必要なのは「反省」する気持ち。やらなかった後悔が強い心理が働いても、同じ失敗を繰り返さないための知識に変わっていきます。
まとめ
やらなかった後悔が辛いのは、今の自分に満足していない部分があるからかもしれません。過去を振り返るのは自己成長に欠かせないことで、ポジティブに受け止めるとなりたい自分を知る材料でもあります。
これからもあらゆる決断をすることになりますが、迷った時は勇気を出して実行してみること。やらなかった後悔をしないだけでも自信が湧いてくるのではないでしょうか。