怒ると黙る人の心理は感情を抑制しているのか、それとも感情をアピールしているのか、相手の気持ちがわからず上手く対処できないこともありますよね。恋人と喧嘩して、いつまでもお互いに無視した状態が続くような場面では、とてもストレスを感じるのは当然です。
そこで今回は、よい関係を維持するために知っておきたい、怒ると黙る人の心理的特徴を詳しくご解説していきましょう。
怒ると黙る人の心理的な理由とは?
怒ると黙るのは、次のような心理的なことが関係しています。表面的には見えにくいことを理解すると上手く相手に対処できるでしょう。
口論する価値がないと思っている
怒ると黙る人は、心理的に相手と口論する価値を感じていないためで、自分の貴重な時間をネガティブなことに使いたくありません。ポジティブな考え方ができる人ですが、不機嫌になり沈黙するので何を考えているか相手がわからないことがデメリット。
「どうして怒っているの?」と聞かれても「別に」と一言返すだけ。コミュニケーションがそれ以上進展しないため、状況は変わりにくい傾向があります。何を言っても相手が考え方を変えない場合や、頑固な人とのコミュニケーションは、頑張っても自分の意見が通らないことはありますよね。
そんな努力が無駄だと思っているため、黙ってしまったほうが時間は節約できるのです。
我慢しているから
怒ると黙る人は心理的に怒りに対しての耐性が強く、嫌な思いを外に吐き出さなくても自分の中で処理できる特徴があります。気に入らないことがあると愛想よく返すことは難しいのですが、できるだけ平和で穏便に状況をやり過ごしたい思いがありますので、自分が我慢すればいい…と考えるタイプ。
怒った時にストレートに感情表現する人と、黙って我慢して気持ちを収める人の2タイプがいます。黙るとその場は収まりやすくなりますが、いつまでも引きずるものが残りそうですね。
傷つけたくないから
怒ると黙る人は心理的に相手を傷つけたくないためで、感情的になると自分が何を言うか心配なのです。ある程度セルフコントロールができる人ですが、不快な気持ちでいることは相手に知ってもらいたい思いも。
そのためわざと大きな音を立ててドアを閉めるなど、態度でアピールしているはずです。怒ると黙る人は忍耐強いところはありますが、溜まった怒りが爆発した時は誰も止められないほどになるでしょう。
臆病だから
怒ると黙る人は、心理的に相手が逆切れしてしまうのではないかと臆病になっています。怒るという感情表現は相手を威圧してしまい、態度に圧倒されてコミュニケーションがとりにくくなりますよね。
臆病で怖がりな人は怒っている人を見るだけでも不安になるため、気持ちを逆撫でしないためにも自分が黙り状況を悪化させないようにします。怒ると黙る人に対してもっと言いたいことを言ってくる人もいますが、黙る人は怖くて言い返せないため、自分の中にもモヤモヤした気持ちがずっと残ってしまいます。
コミュニケーションが苦手
怒ると黙る人は、心理的に他人に自分の気持ちを伝えるのが苦手で、過去に誤解されて嫌な思いをした経験があるかもしれません。ポジティブな雰囲気のコミュニケーションは、言いたいことも言いやすいものです。
しかしネガティブな内容だとたとえ相手のためを思った発言でも、気分が悪くなることがあるでしょう。コミュニケーションが苦手な人は、とくにネガティブな感情を言葉にするのが嫌い。
間違ったアピールで自分が不利にならないよう黙ったほうが無難だと考えています。
仲直りのサイクルがあるから
怒ると黙るのは心理的に習慣に沿ってやっているだけで、相手と仲直りするプロセスのひとつだと思っています。恋人同士の喧嘩なら、怒って黙る人に機嫌を直してもらおうと相手が先に謝ってくるケースがありますよね。
会話がようやく始まり仲直り…というサイクルがすでにある場合は、怒って黙ることで相手にも仲直りの意思が伝わると思っているのです。黙っていると相手が折れてくれる、そんな関係が土台にあると黙ってしまうことは苦にならないでしょう。
口を利いてくれない時の対処方法
怒ると黙る人はそのままでは会話が進まず、お互いに気まずい距離感だけが残ってしまいますよね。しかし問題が解決されるわけではありませんので、もし相手が口を利いてくれない時は次の方法で近づいてみましょう。
全く関係のない話題を提供する
何を言っても黙ったままなのは、機嫌を悪くした原因が残っているためなので、気分転換するつもりで全く関係のない話題を提供してみてください。たとえば仕事のことで喧嘩になった相手なら、趣味の話やテレビの話をするなど、原因からできるだけ離れた話題でコミュニケーションを再開。
会話ができる段階になれば少し気持ちも和らぎ、きちんと話ができるようになるでしょう。
メッセージでコミュニケーションをとる
対面だと心の準備ができないという場合は、メールやメッセージで思っていることを伝えるのもよいでしょう。目的はお互いに意見交換ができる状況に戻ること。相手を責めたり、自分を正当化したりする内容のメッセージではなく、自分の非を認めることが大切です。
メッセージは何度も読み返せるので、感情的に怒って黙ってしまう人にもよい手段といえるでしょう。時間が経ってしまうと余計にコミュニケーションがとりにくくなるので、相手が黙ったままになったら迅速に対応してくださいね。
冷静になるまでしばらく時間を置く
黙っているなら自分も…とやり返したい気持ちになるのも自然なことです。時間が経てば自然と会話できるようになる状況は案外よくありますので、どうしていいかわからない時はとりあえず何もせず相手を一人にしておきましょう。
口論になった当日から2~3日は何もコミュニケーションをとらなくても。しばらくするとどうしても話をしなければいけないことや、相手に質問しなければいけないことも出てくるはずです。怒りが収まった頃を見計らって何ごともなかったように話しかけてみましょう。
会話するよう提案する
他人に対して腹を立てるのは、自分の視点で相手が接してこないため。言っている内容は間違いではないけれど「言い方」が気に入らないために機嫌を悪くすることはあります。
まずは冷静になるのを待ち、次は相手に「きちんと話がしたい」と提案することが大切です。その時は感情的にならず、誠意を持って相手に接すること。黙ってしまう人は相手に折れてもらいたい気持ちがありますので、できるだけ自分の立場よりも相手の気持ちを優先しながらコミュニケーションをとると機嫌を直してくれるはずです。
理由を教えてもらう
怒ると黙る人は性格的になかなか直せない部分がありますので、無理やり自分のペースで相手にコミュニケーションを迫ると余計に黙ってしまう可能性もあります。しかしそのような付き合い方はお互いにストレスになるため、しっかりと気持ちを伝えられるよう今後のことも考えて、怒っている理由を質問してみてください。
「どうして怒っているの?!」と詰め寄るのではなく、怒らせた自分の原因を優しく聞くことがコツ。怒ると黙ってしまう人は、素直な気持ちを伝えられるだけでも自分に自信がつき、コミュニケーションが円滑化するでしょう。
まとめ
怒ると黙る人の心理には、さまざまな感情が絡み合っていることが明らかになりました。相手に言葉で傷つけたくない、または自身の感情をコントロールしたいという思いから、内に感情を閉じ込める人が多いようです。
さらに、話すことによって余計なトラブルを避けたい、またはコミュニケーションが苦手という理由から黙りこくることもあります。相手との関係を大切にしているがために、沈黙を選択する人もいます。
怒って黙る行動は一見コミュニケーションの停滞のように感じられますが、それぞれの心境を理解し、適切に対応することで、関係の修復や理解を深める一歩になるでしょう。